先日、松本の仕事からの帰りに
夜の美ヶ原を散歩してきました。
穏やかな星空が見れそうな気圧配置だったので
ちょっと寄って行こうかなぁと思い立ち、実は、
前夜から密かに装備を積み込んでいたのでした(笑)
ここは江戸時代より盛んに放牧が行われてた場所で、
2000mの高地でありながら広大な牧草地が広がります。
うちの事業所の企画でハイキングに行った時の
昼間の美ヶ原のようすがこちらです
まさに、
「The 草原」
「The 高原」
最高地点の王ヶ頭には全県に電波を送るテレビ塔があり
西に突き出る王ヶ鼻からは、北アルプスをはじめ
遠く乗鞍御嶽山まで見渡せます。
そんな場所もこの時期は放牧地としてはシーズンオフ。
夏の爽やかな時期にふらりと出かけるのも大好きなのですが
マイナス20℃の張り詰めた空気感の厳冬期に出かけて
360°のパノラマ星空を見るのも結構好きです。
先日は、そんな星空を求めて出掛けて来ました。
今季初のスノーシュー出動!
これを履くと雪原の果てまで行けそうな気がして
どこまでもどこまでも歩けて嬉しくなります。
山本小屋のふるさと館から平坦な雪原を
スノーシューで歩いて二時間半ぐらいの場所に
王ヶ頭ホテルとテレビ塔が立ち並びます。
右側の星は「アルタイル」です。
夏の大三角の星を雪原で眺める不思議さ。
この日は全く風が無く、この環境下に於いて
真冬の装備をした結果、歩けば歩くほど
暑くて暑くて仕方ありませんでした(笑)
とりあえず王ヶ鼻まで歩いて北アルプスが見たい!
そんな思いで雪原をズカズカ進みました。
天文薄明も終わり、見上げると満天の星!
しかし、夕方の時間帯は飛行機多いですね~
ぶつかりやしないか?と心配する程です(笑)
雪原を歩きだして30分
王ヶ頭ホテルはまだ先です
何かモンサンミッシェルのように見えてきた
この段階で、アクシデント発生!!
何と、ヘッドライトの電池が切れたのです(-_-;)
普段はザックの中に予備の電池を必ず入れておくのですが、
年末の甲武信ヶ岳で予備の電池を使い果たした事を
すっかり忘れていて補充しないまま来てしまったのでした。
風も雲も無く、最高のコンディションの美ヶ原で
全くもって、なんてこったいです。
仕方なく、スマホの照明で帰途につきました。
しかし、歩きだして30分程でホントに良かったですよ。
王ヶ鼻からだったらスマホの照明も恐らくアウトでしたから。
途中、スマホを切って雪原に寝転がり
360°の星空をぼーっと眺めました。
ふと
クジラ座のミラが極大の頃という事を思い出し、
南の空を探してみました。
予報では三等星ほどまで増光するらしいとの事。
うお座やエリダヌス座に挟まれ
明るい星が比較的に少ないエリアなので
わりとすぐに見つかりました。
デネブカイトスと比べると暗い感じがしたのは
赤い光のせいでしょうか?
太陽ほどの平均的な星が人生の黄昏を迎え
約1年の周期でゆっくりと脈動をしているのです。
やがて周りのガスを放出して惑星状星雲を作り出し、
自身は白色矮星になって静かに一生を終える運命です。
壮大な宇宙のドラマを思いながら
宇宙空間に居るような風景を目の当たりにして
電池切れの残念な気持ちが少し和らぎました。